吉本新喜劇の中山美保さんがお亡くなりになりました。
享年78歳、いつまでも元気なイメージだったので特に関西の人に悲しみの声が広がっています。
吉本新喜劇も、決して順風満帆な歴史を持っている訳ではありません。
良い時も悪い時も、吉本新喜劇を支え続けてきたのが中山美保さんだったんです。
「吉本のミポリン」と呼ばれた中山美保さんの役者人生を振り返ってみたいと思います。
吉本新喜劇のヒロイン、中山美保さんとは?
中山美保
(本名・石田美保子)
1938年2月13日、徳島県徳島市の出身です。
父親の仕事の都合で、インドネシア(当時はオランダ領東インド)で育つ。
大阪劇場(千日前)で活躍、千日劇場で美人女優として人気を博します。
千日劇場ではコメディアンとして出演していた流れから、1967年に梅田コマ劇場で吉本新喜劇としてのデビューをします。
故・井上竜夫さんや末成由美さんとともにヒロインとして吉本新喜劇を支えました。
ヒロインとしては山田スミ子さんからヒロインを引き継ぎました。
吉本新喜劇一筋の役者人生で、1989年に看板役者が次々に脱退する中、桑原和男・池乃めだかとともに吉本に残り苦難の時も新喜劇を支え続けました。
2017年4月、肺血腫のため死去。
中山美保さんが休養せざるを得なくなった病気とは?
2009年頃から体調を崩し、大好きな舞台に立てなくなってしまい休養を続けていました。
診断は「再生不良性貧血」
再生不良性貧血は、普通の貧血と違って難病に指定されている病気です。
血液中の白血球、赤血球、血小板の全てが減少する病気で、特に免疫に関わっている白血球の中の「好中球」が減少します。
白血球、赤血球、血小板を作る「造血幹細胞」というものがあります。
これが何らかの原因で機能しなくなり白血球、赤血球、血小板を血液中に送り出すことができなくなり、免疫が低下してしまう病気です。
●赤血球が減少
↓
脳、筋肉、心臓などの全身に酸素欠乏の症状が起こります。めまい、頭痛が起こり、身体がだるくなったり、疲れやすくなったりします。
心臓の酸素欠乏により狭心症様の胸痛が起こることもあり、呼吸が速くなったり、心拍数が多くなったりします。
息切れや動悸を感じるようになり、顔色は青白くなります。
●白血球が減少
↓
減少する白血球の仲間である好中球は細菌を殺す役目があります。
リンパ球はウイルス感染を防いでいるので、好中球やリンパ球が減少すると細菌感染や敗血症を引き起こします。
●血小板が減少
↓
血小板は血を止める働きをするので、減少するとあらゆる場所で出血しやすくなります。
鼻血が出やすくなったり、歯ぐきからの出血などが起こりやすくなります。
今回、肺血腫が原因でお亡くなりになりましたが「肺へ出血しやすくなった」せいだと考えられます・・・・
中山美保さんが吉本新喜劇に残したもの
中山美保さんは舞台に立つだけではなく、後進の育成にも力を入れておられました。
現在も吉本新喜劇で活躍している
・小籔千豊
・五十嵐サキ
・山田亮
・伊賀健二
・小米良啓太
などを育成して、「次の吉本新喜劇」を残してくれました。
また、プロ意識は非常に高いものであったと言われています。
年齢はずっと「不詳」を通していたようで、吉本興業の幹部にも年齢を知られることをしなかったようです。
海外に行く際でも、生年月日が分かるパスポートも一切預けるようなこともされなかったようですね。
今回、お亡くなりになるまで誰も年齢を知らなかったということです。
夢を売る「女優」として、信念を貫かれた役者人生だったようです。
吉本新喜劇のヒロイン「中山美保」としてのエピソード
女優の中山美穂さんと一字違いということもあり、よくネタにされていたようでご自身でも「ミポリン」と言っていた時期があります。
実際、中山美穂さんと中山美保さんはどんな繋がりがあったんでしょう。
なんばグランド花月の駐車場で2人の「ナカヤマミホ」は会ったことがあるようですよ!!
この出会いがきっかけとなり、ドラマ「夫婦漫才」(2001年・TBS)で一役二名の共演?が実現しました。
「辻本ノブコ」という役を「若い頃=中山美穂」「現在=中山美保」として演じられたそうです。
往年の美貌は関係者に衝撃を与えるほどだったようです。
富司純子さんは「映画の世界以外で、こんな美しい人がいるのか??」と驚いたそうです。
若い頃、相当な美貌であったことを山根伸介(チャンバラトリオ)さんやその他多数の証言?があるようです。
近年は「おばちゃん役」などで年寄り扱いや「おばはん!」などの扱われ方をされていました。
しかし、舞台の上で明らかに不愉快に感じていることが分かるほど反応してしまう事もあったようです(笑)
病気で休養したまま亡くなってしまった中山美保さんについてのまとめ
病気で休養された中山美保さん、再び舞台に立つことを目指しておられたんだと思います。
しかし、再生不良性貧血という難病はその夢を奪ってしまいました。
桜が満開になる前に旅立たれましたが、天国の「竜じい」こと井上竜夫さんや「京やん」こと花紀京さんと昔話に花を咲かせておられるでしょうか?
吉本新喜劇を愛し、支え続けてこられた中山美保さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。