Y.S.C.C.横浜のトップチームコーチ就任が発表され、再び注目を集めている鄭大世(チョン・テセ)氏。「人間ブルドーザー」の異名で知られたその現役時代は、どんな軌跡をたどったのか。実績とともに振り返ってみたい。
🔵鄭大世氏 トップチームコーチ就任のお知らせ🟠
この度、鄭大世氏がトップチームコーチに就任することが決定しましたので、お知らせいたします。
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— Y.S.C.C.【公式】 (@yscc1986) August 20, 2026
朝鮮大学校から異例のプロ入り
1984年3月2日、愛知県名古屋市生まれ。在日コリアン3世として生まれ育ち、愛知朝鮮初級学校でサッカーを始めた鄭大世は、朝鮮大学校蹴球部に在籍しながら、東京都大学サッカーリーグという当時のJリーグクラブからは遠い舞台でプレーしていた。
Jリーグの強豪クラブは通常、有名大学や強豪高校から選手をスカウトする。朝鮮大学校はスカウトの目が届きにくい環境だったが、複数クラブの練習に自ら参加してアピールを続け、2006年に川崎フロンターレへの入団を勝ち取った。
川崎フロンターレで才能開花、北朝鮮代表として2010年W杯へ
入団2年目の2007年からJ1のスタメンに定着すると、2007年12得点、2008年14得点、2009年14得点と3シーズン連続で二桁得点を記録。屈強なフィジカルと高い得点力を武器に、Jリーグを代表するストライカーへと成長していった。
同じく2007年からは北朝鮮代表としての活動も開始。2010年南アフリカワールドカップでは、北朝鮮代表として44年ぶりの本大会出場に貢献した。試合前の国歌斉唱で涙を流す姿は世界的な話題を呼んだ。北朝鮮代表としては通算33試合15得点という実績を残している。
欧州・韓国を経て、清水エスパルスでJ2得点王に
2010年からは活躍の場をヨーロッパに移し、ドイツのVfLボーフム、1.FCケルンでプレー。その後は韓国の水原三星ブルーウィングスに加入し、Kリーグでも実績を積んだ。
2015年に日本へ復帰して清水エスパルスに加入すると、2016年にはJ2リーグで26得点を挙げて得点王のタイトルを獲得。チームのJ1昇格にも大きく貢献した。
Jリーグ通算111得点、38歳で現役引退
清水エスパルスでのJ1復帰後も一定の出場を重ね、その後はアルビレックス新潟、FC町田ゼルビアと渡り歩いた。町田では33試合5得点、34試合6得点という成績を残し、2022年シーズン限りで38歳にして現役引退を発表した。
Jリーグ通算では111得点という記録を残しており、外国籍選手(北朝鮮代表)としてJリーグに深く足跡を刻んだ選手の一人といえる。
現在はコーチとしての新たな一歩
引退後はサッカー解説者やテレビ・ラジオのコメンテーターとして活動し、バラエティ番組への出演でも幅広い層に知られるようになった鄭大世氏。そして今回、Y.S.C.C.横浜のトップチームコーチに就任することが発表された。
現役時代に見せたひたむきなプレースタイルと豊富な経験を、今度は指導者としてどのように伝えていくのか。今後の動向にも注目が集まる。